株主・投資家の皆さまへ

株主の皆さまにおかれましては、平素より格段のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

~2023年5月期業績について~

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う行動制限が緩和され、経済活動が正常化に向かうとともに、国際的な人の往来も再開されました。学習塾事業においては、Al技術を活用した学習管理等を進めましたが、季節講習及び新学期開始時期における入室数が前年に及ばず減収となりました。一方、語学関連事業においては、国内・オーストラリアの語学学校の留学生が大幅に増加しました。また保育・介護事業においては、保育事業で園児数が伸びたほか、介護事業でも入居率、サービス利用率が向上しました。

その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高が25,420百万円(前年比6.5%増)、営業利益は470百万円(同23.7%増)、経常利益は385百万円(同5.4%増)となりました。一方で、子会社に対するのれん、及び閉鎖・移転に伴う固定資産の減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は316百万円(前年は7百万円の純損失)となりました。

 

~事業環境に対応し組織として進化する~
顧客価値を基準に

15年先を見据えたとき、例えば中学3年生の人口は、今と比べ3割も少なくなるなど、事業を取り巻く環境は年々厳しさを増していきます。人口の減少に伴う市場の縮小は避けられず、そこで事業を成長に導いていくためには、私たちが変化するよりほかありません。過去に遡って20年前と比較したとき、既に現在の子どもの人口は約20%減少しておリますが、個別指導という形態が台頭して市場は拡大しました。変化することで、明るい未来を切り開くことはできるということです。

そこで、時代の流れに応じて変化する顧客価値を基準にした指標を基に活動し、利益に繋げていくという意識の社内浸透を図ります。「お客様に満足していただけるサービスとは何か?」を問い続けながら、経営品質を向上させる活動にこれまで以上に注力いたします。組織や経営のあり方を見直し、ありたい姿を描き、現実とのギャップを理解し、そのギャップを埋めていくために経営を進化させ続けることが大切だと考えています。
組織の進化は、紛れもなく、そこで働く「人」が進化することでしかなし得ません。私たちは、どんな年齢になっても、人が生きていく上で大切なのは「成長し続けることである」との考えから、2020年に「ステキな大人が増える未来をつくる」というグループビジョンを掲げました。当社が運営するそれぞれの事業においてこのビジョンをふまえながら進化を遂げ、50年後も100年後も選ばれ続ける存在でありたいと考えています。

 

~次世代の事業展開~

1975年に学習塾としてスタートした京進は、人の一生に寄り添い、社会に貢献できる企業グループヘと成長を遂げています。さらなる高みを目指し、新たなチャレンジを続けていきます。

学習塾事業では、統廃合や新規開校、IT化、内外装のリニューアルなどあらゆる投資を行っていきます。語学関連事業については、日本語学校を国内外で設立し、優秀な外国人材が学べる場を増やすとともに、日本と海外を結ぶ架け橋となる人材の育成や支援を行う、国際人材交流にも力を注ぎます。また、世界でも高い評価を受けているオーストラリアのELC(語学学校)やELC Career College(職業訓練専門学校)を、オーストラリア以外の諸外国でも展開していきたいと考えています。
保育事業については、教育的な側面を強めて競合との差別化を図り、介護事業ではM&Aなども活用しながら国内で圧倒的に不定している介設施設を増やしていきます。保育や介護に携わる人材の不足という課題については、外国人材の活用を促進しながら、資格取得や就職サポートに一層注力していきます。また、介護・フードサービス事業部における新規事業として調剤薬局事業をスタートします。地域のニーズに応えるだけでなく、当社グループの介護施設を利用する皆様の安全・安心により貢献できるサービスになると期待しています。

今後も、各国で教育や人の一生を支援する事業を展開することにより、「全従業員の物心両面の農かさを追求するとともに、日本と世界の教育・文化の向上、社会の進歩と善良化に貢献する」という経営理念の実現に邁進してまいります。

 

 

 

株 式 会 社  京  進

代表取締役社長 立木 康之