2022年3月

リフレーミング:否定語を肯定語に

多くの企業や学校で、新しい1年のスタートを迎えていることと思います。

新入社員、新入生といった新たな世界に飛び出すフレッシュな皆さんはもちろん、新たな部署、新たな役割で生活をスタートさせる社会人の皆さんには、不安な気持ちを抱きながらも期待に胸をふくらませていらっしゃる方や、新年度に向け心機一転、仕事に取り組もうと決意されている方もいることでしょう。それぞれが様々な思いをお持ちだと思いますが、気持ちを前向きにするいい機会として考えてみることをお勧めします。

先日、読んだ雑誌に「自己肯定感を高める7つの習慣」という記事を見つけ、その中に「否定語を肯定語に言い変える」というものがありました。専門用語では「リフレーミング」と言われます。リフレーミングに関しては以前少し学ぶ機会があり、私のクレドのひとつである「否定的な判断をやめる」というのはその時の学びから来ています。

リフレーミングとはコミュニケーション心理学の用語で、自分のモチベーションを上げて自信がつくだけでなく、人間関係が良くなるといった効果が期待できる手法です。ポジティブシンキングとは少し違い「物事の捉え方を変えて、別の枠組みで捉え直すこと」だとされています。

コップに半分水が入っている時に「もう半分しかない」と捉えるか「まだ半分もある」と捉えるか、或いは、受験まであと3か月という時に「もう3か月しかない」と捉えるか「まだ3か月もある」と捉えるかで、感じ方が変わってくることは、皆さんも日頃から体験されていることと思います。この捉え方が「否定語を肯定語に言い変える」ということです。

「否定語を肯定後に言い変える」ことは、自分自身とのコミュニケーションだけでなく、他者とのコミュニケーションに対しても大きな効果があります。振り返ってみてください。何気ない会話の中で、結構「否定語」で話をしていることはありませんか?

仕事中に、同僚や部下の人に「ミスしないでね」「また間違っているよ」などと言ってしまうことも否定語です。仕事が終わった後に、「疲れた」と口にしてしまうことも、自分への否定語です。ではどういえば肯定語になるか、ぜひ一度考えてみてください。

私は、「捉え方」の天才はエジソンだと思っています。彼の考え方を伝える言葉の中で、究極のリフレーミングだと思っているものをご紹介します。

 ・困るということは、次の新しい世界を発見する扉である
 ・私は失敗したことがない。ただ、1万通りの上手くいかない方法を見つけただけだ

また、マザーテレサが残した有名な言葉の中にも、リフレーミングにつながると思うものがあります。

『思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
 言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
 行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
 習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
 性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。』

「考え方に気をつける」ことで、運命までもが変わると示唆しているのだと感じます。

新しい1年のスタートにあたり、今日からでも「否定語を肯定語に言い変える」ことを実践し、運命が今まで以上に良い方向に変わると信じてみるのはどうでしょうか。

京進でも、新年度を「笑顔と基本と対話」「気づき」を忘れないことを継続しながら、リフレーミングの実践を心がけることに取り組んでまいりたいと思います。

 

代表取締役社長 福澤 一彦

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