• 高校受験

自分に合った高校の選び方|選ぶときのポイントや情報の集め方を解説

2023.06.09

国公立・私立、男女共学・別学など、高校の種類は多様であり、その環境がその後の人生にも大きな影響を与えます。偏差値が一つの基準にはなりますが、充実した高校生活を送るためにはそれだけでは判断できません。また、大学進学を目指している場合は、その高校が持つ推薦枠や優先枠を考慮する必要があるでしょう。自分に合った、将来にもつながる高校をどのようにして選ぶべきなのか、高校の種類を紹介し、選ぶ際のポイントを解説します。

◆本記事の目次

【高校の選び方①】高校の種類

高校は、国立、公立、私立の違い、男女共学か別学かの違い、学科・コースの違いなどにより、さまざまな種類があり、それによって環境や学習内容が大きく異なります。高校を選ぶ際は、まずはこの基本の区分けを踏まえておくことが重要です。

●国立・公立・私立

志望する学校が国立、公立、私立かによって、入試日や内申の有無などが大きく異なります。まずは国立高校、公立高校、私立高校の違いについて解説していきます。

・国立高校
国が設置した国立大学の附属高校であり、国立大学の研究や実験に協力することを求められている研究校です。国立大学法人によって設置、運営されています。安い学費で高い教育を受けられるため人気が高く、一般的に入学試験の競争率が高い傾向にあります。クラスは少人数制で、学習面の指導も部活動も充実しています。

進路については、国立大学の附属高校であっても、私立の大学附属高校とは異なり、基本的には設置者である国立大学への優先枠はありません。公立高校と同じで、複数の大学の推薦枠があります。

・公立高校
一般的には、都道府県立や市町村立などの自治体が運営する高校を指します。そのため、原則として在住している都道府県にある公立高校のみ受験可能です。また、一つの都道府県内の公立高校は、基本的に一校のみ受験可能です。学校にもよりますが、普通科では2年生までは授業内容は共通しており、3年生になると進路によって分かれます。

進路実績については、上位校と下位校とで大きな差があり、学校によって大学の推薦枠の種類や数も異なります。

・私立高校
民間の団体(学校法人)が設置、運営する高校を指します。公立高校とは違い、学校ごとに入試の日程や形式が異なるので、スケジュールをうまく組めれば複数の高校を併願可能です。

独自の教育方針や校風、将来の進路を見据えた多様なカリキュラムが組まれている高校が多く、入学当初よりコース制となっていることもあります。設備面が非常に充実していたり、特定の部活動に力を入れていたりする学校もあります。

私立大学の付属校の場合は、その大学への優先枠を設けています。大学進学に特化したコースもあり、徹底した受験対策を行っているケースも多いです。

●男女共学・男女別学(男子校・女子校)

男女共学の学校は、性別に関わりなく受験ができます。実社会に近い環境で思春期を過ごせるため、大学進学する際も、就職して社会に出る際も適応しやすいと言われます。また、同世代の男女が共に学校生活を送るため、さまざまな価値観を学べます。

男子のみ、女子のみの男女別学では、異性の目を意識することなく過ごせるため、のびのびと自分らしく高校生活を過ごせるのがメリットです。同性の友だちと共に、夢中になれることを見つけて没頭する生徒も少なくありません。

●学科・コース

高校では、主に「普通科」「専門学科」「総合学科」といった学科が設けられています。学科によって学習内容が大きく異なるので、進路に合わせて選択しましょう。

・普通科
国語、数学、英語、理科、地理歴史などの科目が学べます。普通科では、大学進学を目指すコースが設けられることもあります。

・専門学科
普通科目では学べない専門的な知識や技能を身につけることができます。工業科、商業科、農業科、家政科、美術科などがあり、就職につながる技能獲得も可能です。また近年は、広い学びを得られる、特色ある専門学科を設置している自治体も出てきています。

・総合学科
普通科と専門学科のカリキュラムを併せ持ち、両方の学科から幅広く選択科目が設けられています。本人の興味に合わせて選択可能なので、学びながら自分の適性を探れます。


【高校の選び方②】学校の特色・特徴

充実した高校生活を送るためには、学校の特色や特徴を踏まえて選択肢を検討することが大切です。高校を選ぶ際に確認しておきたいポイントとなる点を8つ紹介します。

●偏差値や内申点の高さ

特に私立高校の場合、在籍する生徒の学力によって授業内容や進み方が異なることがあります。そのため、自身の学力に見合った高校を選ぶことが大切です。また、志望校の偏差値を知ることで、合格するための対策を立てやすくなります。併願校を検討する際も、偏差値が第一の基準となるでしょう。

中学校での成績や授業態度などによって決まる内申点ですが、公立高校では、学力検査と内申書で合否が決まるため、特に重要です。中学1年生の頃から日頃の勉強をしっかり行い、定期テストで点数を取れるようにしましょう。私立高校に関しては、専願・併願によって内申点の重要度は異なります。

●進学や就職の実績

進学にせよ、就職にせよ、高校のこれまでの進学・就職実績は大きな影響がありますので、すでに卒業後の目標がある場合はチェックしましょう。進学の場合、高校独自で優先枠や推薦枠があることがあり、ぼんやりとでも志望大学のイメージがある場合は進学実績がどれくらいあるのか見ておくとよいでしょう。就職の場合でも、実績がある企業への就職活動はスムーズに進むことが多いです。

●校風や雰囲気

高校生活を楽しく過ごせるかどうかは、校風や学校の雰囲気が大きく影響します。入学してくる生徒たちも校風・雰囲気に惹かれた人たちが集まります。多感な思春期を過ごす場所であるため、偏差値や進学実績のみにとらわれず、本人の適性を踏まえて選択することが大切です。学校案内を読む、文化祭や学校見学に足を運ぶなど、事前に情報収集しておきましょう。

●授業内容や学習計画

高校のカリキュラムや教育方針が自身の学びたいことと合っているかはもちろん、授業の進度についても確認しておきましょう。大学進学のために、進度が速いことは有利に思えますが、途中で授業について行けなくなっては本末転倒です。そのような事態になった際のフォロー体制についても知っておくと安心です。また、高校によっては、課外授業に特色があったり、海外研修、留学コースを用意していたりする場合もあるので、自分の希望に合っているかどうか検討しましょう。

●学校の設備

図書室、運動施設などの充実度、学校自体の広さなど、設備によっても受けられる学習内容が変わってきます。部活動も学校の設備によって、活動内容の充実度が変わってくるでしょう。昨今では、タブレット端末を一人一台渡す学校も増えており、どのように活用されているかも確認しておくとよいです。

●課外活動

希望する部活動やボランティア活動がある場合は、事前にチェックしておきましょう。また、部活動に力を入れている高校の場合、入部に制限を設けていることもあるので注意が必要です。

大学進学の際、高校が持つ推薦枠の利用を希望している場合は、部活動やボランティア活動の実績が有利な要素となることもあります。

●通学方法

自宅から高校までの通学経路・方法も考慮が必要です。あまりに遠すぎると時間や負担がかかるだけでなく、交通費もかさみます。本人にとっても、長すぎる通学時間による負担や生活リズムへの影響は大きいので、毎日通学できそうか親子でシミュレーションしてみましょう。使用する電車の混み具合や安全面も大切なポイントです。

●学費

高校の後に控えている大学進学も踏まえて、学費は大きな問題です。公立高校だけではなく、私立高校でも授業料の無償化制度が導入されていますが、どちらの場合も所得制限があります。そのため、両親の収入が一定以上の場合は支給されず、全額家庭の負担になります。

高校入学にあたり、入学金、授業料、制服・鞄・体操着などの代金、通学費、教材費、課外活動費などが必要です。学校によっては寄付金もかかります。

高校の学習費総額の目安は以下の通りです。

*各学年の学費
高校 公立   私立
1年生 507,980円 1,160,016円
2年生 460,470円 893,127円
3年生 403,622円 851,087円

【引用】「子供の学習費調査(平成30年度)」(文部科学省)

上記した高校選びのポイントは、各高校のホームページや学校案内の資料、学校説明会や見学会などで確認できます。

資料請求・お問合せ


やってはいけない高校の選び方

高校選びを失敗すると、途中で通えなくなってしまったり、思うような進路につながらなかったりします。高校選びの際、やってはいけないことを取り上げます。

●1校だけしか選ばない

強く志望する高校があったとしても、1校に絞らず、他の高校にも目をむけてリサーチし、候補を複数作っておくことが大切です。他の高校の良さを知れて可能性を広げることになり、もし第一志望校に受からなくても、納得して別の高校に進学できます。最低でも3校は進学したいと思える高校を探しておきましょう。

●他人が決めた高校を選ぶ

知り合いや中学校の先生などがおすすめする高校を候補に加えるのもよいですが、自分で調べ、自分で検討することを大事にしてください。どの学校が合うかは人それぞれです。また、自分で選んだ高校であれば、進学後も納得して通えます。

●見学をせずに選ぶ

気になる高校があれば学校説明会やオープンスクールに積極的に参加し、実際に学校全体の雰囲気、先生や在校生の様子を見ておきましょう。見学して初めてわかることもあります。通学方法・時間のチェックと共に、通学経路の安全性も確認しておきましょう。3年間楽しく通えるか、具体的にイメージしてみてください。


充実した高校生活や希望進路を踏まえ、さまざまな観点で検討しよう

高校選びでは多様な選択肢がありますが、どんな高校生活を送りたいかをできるだけ具体的にイメージし、それが実現できそうな学校を選ぶことが大切です。高校3年間で本人の希望が変わる場合もありますが、その先の大学進学や就職を踏まえた戦略も大切です。ここまで述べてきたさまざまなポイントを参考に、親子で情報収集し、検討してみてください。

しかし、各家庭ですべての選択肢をリサーチするのは容易ではないでしょう。京進の中学・高校受験TOPΣでは担任システムを設けており、学習だけではなく、進路に関するアドバイスを行います。成績だけではなく、性格や希望を踏まえてきめ細かくサポートしますので、ぜひご検討ください。

「京進の中学・高校受験 TOP∑」の高校受験対策コースはこちら

資料請求・お問合せ