• 中学受験
  • 高校受験
  • 大学受験

偏差値って何?意外と知らない計算方法や模試で利用される理由とは

2023.06.09

模試を受けたり、志望校を選び始めたりすると「偏差値」という言葉を耳にする機会が増えるはずです。「偏差値は高い方がいい」と思い込み、正しい意味を理解していない方もいるでしょう。また、「そもそも偏差値って何?」という方もいるかもしれません。

偏差値は自分の学力レベルを把握するための指標の一つですが、決して難しい数値ではないので、正しい意味を理解しておきましょう。

この記事では、偏差値の意味から計算方法まで詳しく解説します。さらに、偏差値を用いる際の注意点も紹介するので、「偏差値という言葉は知っているけど、意味や使い方はよくわからない」という方はぜひ参考にしてください。

◆本記事の目次

偏差値っていったい何?

●偏差値とは

偏差値とは、自分の成績レベルを知るための指標の一つです。偏差値を確認すれば、同じテストを受けた人と比較し、自分がどのくらいの位置にいるのか把握できます。同じ模試やテストを受けた人たちのなかで自分の実力を相対的に比較できるため、志望校に合格できる可能性や、志望校が適正かを判断する際に役立ちます。

偏差値は中学受験や高校受験、大学受験などでの受験情報として用いられることが多く、志望校合格までの難易度を把握し、受験勉強の効率化につなげる重要な数値です。

●偏差値の読み取り方

偏差値の読み取り方は至ってシンプルです。平均点を取った人を「偏差値50」とし、平均点より低い点数を取った場合、偏差値は50より低くなり、高い点数を取った場合は50より高くなります。

つまり、その人の偏差値が60や70であれば真ん中よりも高い学力があることを示し、反対に偏差値が40や30になると、平均的な学力を下回っていることになります。偏差値を確認する際には50を基準として、自分の学力が平均と比較してどの程度なのかを判断することが大切です。

また、「○○高校の偏差値は70だ」などとよく聞きますが、これはその学校が発表しているのではなく、塾や予備校など模試を実施しているところが独自に算定した偏差値です。

●偏差値が示す割合

偏差値を確認すれば、同じテストを受けた人のなかで自分の学力がどのくらいに位置するのか読み取ることができ、受験者全体での順位を把握することが可能です。以下の表をみると、受験者数のうち最上位から何%に入っているのか把握できます。

偏差値 最上位からの割合
80 0.13%
75 0.62%
70 2.28%
65 6.68%
60 15.87%
55 30.85%
50 50.00%
45 69.15%
40 84.13%
35 93.32%
30 97.72%

偏差値70であれば44人に1人、偏差値75ともなると161人に1人の学力レベルといえます。具体的に表すと、偏差値70はクラストップ、偏差値75なら学年で1、2番のイメージです。これらは学校の規模によって異なる場合もあるため、あくまで目安程度に考えておいてください。


偏差値の算出方法

偏差値は以下の計算式で求められます。

偏差値=10×(個人の得点-平均点)÷(標準偏差)+50

ここでいう平均点とは、テストを受けた全員の合計点を受験者数で割ったものです。また、標準偏差は以下の公式で求められます。

標準偏差=[{(得点-平均点)の2乗の総和}÷人数]の平方根

標準偏差とは対象データの分散(ばらつき)を数値化したもので、数値が大きいほどばらつきも多いことになります。

平均点より高い点数を取ると偏差値も高くなりますが、受験者の得点にばらつきが大きい場合、平均点以上でもそれほど偏差値は上がりません。つまり、得点と平均点だけで順位を導き出そうとすると正しく判定できない場合があるため、標準偏差も用いて計算する必要があるのです。

実際に英語と数学の2科目の点数と偏差値の関係を比較してみましょう。

テスト①
A B C D 平均 標準偏差
英語得点 90  81 58 41 67.5 19.2
数学得点 80 63 60 27 57.5 19.2
英語偏差値 61.7 57.0 45.1 36.2
数学偏差値 61.7 52.9 51.3 34.1

Aさんの結果をみると、英語と数学の偏差値はどちらも同じですが、数学の得点は英語に比べて低いです。英語の得点と数学の得点の標準偏差(得点のばらつき度合い)が同じで、英語の平均点が高いことから、得点しやすいテストだとわかります。

テスト②
A B C D 平均 標準偏差
英語得点 80 95 50 35 65.0 23.7
数学得点 80 70 60 50 65.0 11.2
英語偏差値 56.3 62.7 43.7 37.3
数学偏差値 63.4 54.5 45.5 36.6

別のテストのAさんの結果をみると、得点は同じですが、数学の偏差値が英語に比べて高いです。平均点に近い受験生が多いと、標準偏差(得点のばらつき度合い)が小さくなります。数学は標準偏差が小さいことから、高得点を取りにくい難しいテストだとわかります。難易度の高いテストの場合は、同じ得点でも偏差値が高くなることがあります。

資料請求・お問合せ

資料請求・お問合せ


偏差値が受験で利用される理由と注意点

「なぜ受験では点数より偏差値を利用するの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。ここでは、受験で偏差値が重視される理由について解説します。さらに、偏差値を利用する際の注意点も紹介するので、あわせてチェックしておきましょう。

●受験で偏差値が重要視される理由

受験で偏差値が重要視される理由は、点数だけでは自分の実力を相対的に判断するのが難しいためです。もちろんテストの点数が高いに越したことはありませんが、テスト問題が比較的簡単な場合、平均点も高くなるでしょう。平均点が高いテストで高得点を取っても、他の受験者と差をつけるのは難しく、合格する可能性が高いとはいえません。

一方、偏差値を確認すれば、平均点からどれだけ離れているかを把握でき、合格率をより正確に予測することが可能です。そのため、模擬試験やテストで自分の実力を正確に把握するには、点数だけでなく偏差値にも注目するべきなのです。

●偏差値の注意点

2つの偏差値を比較する際には、元になるデータの集団に注意が必要です。ここでいうデータの集団とは、テストを受けた全受験者のことを指します。データの集団の異なる偏差値を比較しても、正確に学力を把握できません。

たとえば、全国模試における偏差値と校内テストにおける偏差値ではテストを受けた生徒の学力レベルに差があり、ばらつき具合が異なるため、偏差値を公平に判断することはできません。また、テストの受験者数(母集団)が少なすぎる場合も、偏差値が正しいものにならないケースがあります。

そのため、偏差値を比較する際には、テストを受けた人数や学力レベルなどを確認しておくことがポイントです。同じテストを受けた人数が多く、学力のレベルに偏りが少なければ、精度が高い偏差値といえるでしょう。


偏差値を正確に把握し、志望校合格を目指そう!

偏差値は自分の学力レベルを知るための指標の一つで、合格する可能性や志望校が適切かを判断する上で役立つ数値です。志望校に合格する可能性を把握できれば、学習計画を立てやすく受験勉強のモチベーションにもつながるでしょう。

偏差値を知って「志望校合格が難しいかも」と感じたら、学習塾に相談するのがおすすめです。なかでも「京進」は志望校の学力レベルごとにコースがあり、合格に向けて適切な勉強量・勉強時間を確保できます。さらに、脳科学に基づく勉強法で「記憶力を高めながら勉強を習慣化できる」のも京進のメリットです。

また、京進は集団学習塾の「京進の中学・高校受験 TOP∑」と個別指導塾の「京進の個別指導 スクール・ワン」があるため、自分の学習スタイルに合わせて選べます。資料請求や教室見学、授業体験をすべて無料で実施しているので、気軽にお問合せください。

「京進の中学・高校受験 TOP∑」を詳しくみる
「京進の個別指導 スクール・ワン」を詳しくみる

資料請求・お問合せ

資料請求・お問合せ