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私立文系の学部を数学受験するメリットは?勉強の前に確認すべきこと

2023.08.03

私立大学の文系学部であっても数学が受験科目として選べる大学もあります。「文系なのだから数学を選ぶのは不利なだけではないか」と考える方もいるかもしれませんが、実はそうとも言えません。

数学が得意な場合はもちろん、元々理数系志望だった方が文系に変更した場合、国立大学と併願する場合などは、数学を選択したほうが有利なこともあります。また、社会が苦手で数学を選択したい場合は、志望校の社会と文系数学の過去問を解いた上で判断するのがおすすめです。一方で社会科目と比較して、数学を選ぶべきでない受験生も少なくありません。

数学受験をするメリットやデメリット、数学受験を選ぶ際に確認すべきことを解説します。

◆本記事の目次

私立文系の学部で数学受験をするメリット

文系で大学受験に挑む受験生が、社会ではなく数学受験を選択することで、実は合格の可能性が高くなる場合があります。具体的な理由を徹底解説します。

●合格に必要な得点のハードルが低くなる場合がある

私立文系の場合、数学は必須科目ではないため、理系の学科で出題される数学とは出題範囲が異なり、難易度が低いことが多いです。大学にもよりますが、文系数学では一般的には、「数学Ⅰ」「数学A」「数学Ⅱ」「数学B」が範囲です(一部の大学・学部では「数学C」も)。また、大学によっては「数学Ⅰ」「数学A」のみというケースもあります。いずれにしても難易度の高い数学Ⅲは除外されるので、場合によっては短い学習時間で対策できる可能性もあります。

また、私立文系の数学の場合、得点調整の恩恵を受けられる可能性が高いです。得点調整とは、受験の際の科目選択によって合否が不公平になることを回避する目的で行われる措置です。数学は点数が安定しにくい科目であるため、社会科目より平均点が低くなるケースが多く、そのため大学は、数学受験者の素点(実際の点数)に対して受験者全体の平均点を踏まえた調整(加点)を行う可能性があります。このように、数学を選択した受験生にとって、結果的に有利に働くケースがあります。

●受験する大学の選択肢が増える

数学で受験する場合、入試で数学が必須である大学も視野に入れて大学を探せるメリットがあります。国公立大学の一次試験や、一部の私立大学入試でも利用される共通テストでは、数学の受験が必須で、成績が加味されます。そのため、まったく数学ができない場合は、それらの大学はそもそも受験が難しいとなる場合もあるでしょう。

●大学入学後に役立つ

大学受験対策としてしっかりと数学を学習しておけば、大学入学後に役に立つこともあります。特に、経済学部や商学部のように経済学や統計学を扱う学部の場合、数学の知識が必要、数学が必修科目になっているケースも少なくありません。そのため、大学受験を機会にしっかりと数学を勉強しておけば、入学後数学の単位をとる際苦労せずにすみます。


私立文系の学部で数学受験をするデメリット

私立文系の学部を第一志望としている学生が数学受験した場合、考えられるデメリットを解説します。

●数学以外の教科にかける勉強時間が短くなる

学習法によっては、思いのほか数学の勉強に時間をとられてしまうケースも考えられます。私立文系の試験では、一般的に英語の配点が大きいため、数学の勉強が理由で英語の勉強時間が削られてしまうと、逆に不利になってしまうこともあるでしょう。

●数学は勉強の成果が出るのも時間がかかる

定期テスト対策とは異なり、大学受験の範囲は広いです。また、数学は知識を積み上げていく教科で、覚えた公式や解法を使い、さまざまなパターンの演習を繰り返すことで実力がつきます。そのため、成果が出るのに時間がかかってしまうというデメリットがあります。

2つのデメリットに触れましたが、数学受験を判断する際に重要なのは、今の時点でどの程度数学の実力があるのか、入試までに一定の数学レベルに達するのかどうかという点です。数学の点数があまり芳しくない状況で、社会を選ぶべきか、数学を選ぶべきかで悩んだ際は、まずは学校や塾の先生に相談すると良いでしょう。

志望校の数学を解いてみるなど、検討を重ね、時間的に厳しいと判断された場合は、社会を選択することをすすめられることもあります。

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私立文系の数学受験を決断する前に確かめておくと良いこと

私立文系で数学受験をしようと決断する前に、確認しておくべきポイントを解説します。

●受験で必要な数学の範囲

そもそも志望校・学部の入試科目に数学が含まれていない可能性があります。私立大学の文系学部の場合、数学が選択肢にないこともあるので、まずはその点を確認しましょう。

また、大学や学部によって、それぞれ数学の出題範囲が異なります。「数学Ⅰ」「数学A」のみである場合や、それに加えて「数学Ⅱ」「数学B」「数学C」まで範囲になっているケースもあります。範囲が広すぎて受験できるレベルに達するかどうかわからない、間に合わないかもしれないという場合は、考え直したほうがよいでしょう。

●数学の実力や伸びしろの有無

まずは模試の結果などをチェックして、現在の数学の実力をチェックしましょう。数学の点数結果があまりに芳しくなく、今後の伸びしろも少ない、あるいは伸びしろがあってもかなり時間がかかってしまいそうな場合は、わざわざ数学を選択するメリットは少ないでしょう。

●受験校の入試問題を確認する

従来の暗記中心の問題もありますが、近年の入試問題では社会であっても暗記のみでは解くことが難しい問題も少なくありません。そのため、社会だからといって暗記さえできればというわけではないので、受験校の入試問題の傾向を確認して検討することが大切です。
社会と数学、どちらとも言えないケースもあるかと思いますので、その場合は、学校や塾の先生に客観的な意見を聞いてみるのもよいでしょう。


文系の人が数学の勉強を始めるときにやるべきこと

文系であっても、数学の実力に差はありますが、いきなり志望校の過去問を解くといったことはおすすめできません。まずは基礎的な問題がしっかり定着しているかを確認するために復習から始めましょう。できれば中学校の数学の範囲から解いてみて、その中で自分にとって苦手な単元を見つけます。その単元の演習を繰り返すことで苦手を克服し、その後、受験の問題に近いものに取り組みましょう。


文系の数学受験にメリットはあるが、客観的な判断が大切

文系の私立大学を目指す受験生にとって、数学受験はメリットがあると言えます。しかし、それは社会科目との比較で数学のほうが高得点を狙える、学習も十分に間に合うという人の場合です。数学でも社会でも、時間をかけて学習する必要があるのは変わりないので、自分のモチベーションが維持しやすいのはどちらの科目かという視点も必要でしょう。経済学部や商学部のように、大学入学後に数学が必要となる場合は、入学後のことも考えて社会よりも数学のほうが真剣に勉強に取り組めるかもしれません。

数学受験をすべきかどうか、自分では判断できない、悩んでいるといった場合は、京進の個別指導 スクール・ワンでも、これまでの経験を踏まえて、ひとりひとりの成績や伸びしろを考えてアドバイスします。担任や難関大学に通うチューターがいつでも相談にのりますので、ぜひお問合せください。

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