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大学入試の種類と仕組み|受験勉強の前に押さえておきたい基礎知識

2023.09.05

大学入試には国公立大学、私立大学それぞれで、さまざまな受験方式があります。大きく分けて、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜が挙げられますが、どの方法を選択するかで必要な評定、学力、小論文や面接の有無などが異なるので大学ごとに個別に対策が必要です。

大学入試の仕組みをしっかりと理解し、志望校に向けて正しい対策を行えるように、国公立大学と私立大学の入試の違い、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜などの選抜方式、共通テストや個別試験など、それぞれの具体的な内容を詳しく解説します。

◆本記事の目次

大学入試の基礎知識

大学入試には、多様な受験方法があります。まずはどのような受験方法があるのか、基礎知識を徹底解説します。

●大学入試の大まかな仕組み

大学入試の受験方式は、志望する大学の種類や学部・学科、利用する選抜方式によって内容や流れが異なります。大学の種類は大きく分けて国公立大学と私立大学に分類され、選抜方式は一般入試と呼ばれる「一般選抜」と、推薦入試と呼ばれる「特別選抜」に分けられます。特別選抜には、大きく分けて、「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の2種類があります。

国公立大学 私立大学
一般選抜 大学入学共通テスト(一次試験)

個別学力検査(二次試験)
・個別学力試験
・共通テスト利用方式
学校推薦型選抜 ・公募推薦 ・指定校推薦

・公募推薦
総合型選抜 大学独自の選抜

(+大学入学共通テスト)
大学独自の選抜
●大学入学共通テストとは

大学入学共通テストとは、受験生の基礎的学習の達成度を判定することを目的とした試験です。国公立大学の一般選抜においては、個別学力検査の前の一次試験として必ず受験する必要がありますが、私立大学においては選抜方式の一部に活用されています。

毎年1月中旬に2日間にわたり全国で一斉に行われ、試験会場は志望大学ではなく、基本的に受験生の居住地に近い会場が指定されます。

共通テストの出題科目は国語、数学、外国語、地理歴史、公民、理科の6教科30科目です。地理歴史は世界史A、世界史B、日本史A、日本史B、地理A、地理Bの6科目、公民は現代社会、倫理、政治・経済、倫理,政治・経済の4科目、理科は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎、物理、化学、生物、地学の8科目、外国語は英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語の5科目があり、合計すると30科目となります。受験生は自身が志望する大学が指定する教科・科目を選択して受験します。

解答形式はどの教科もすべてマークシート方式です。

●学校推薦型選抜とは

学校推薦型選抜とは、出身校の学校長の推薦を受けることで出願が可能な制度です。そのため、大学ごとに「評定平均〇以上」というように一定の出願条件が定められていることもあり、卒業年度も「〇年卒業まで(〇浪まで)」など制限されていることが多いです。

学校推薦型選抜には、「指定校推薦」と「公募推薦」があります。指定校推薦は、大学がある特定の高校を指定して行う入試方法です。募集人数が若干名であるため、高校内で志望者が多い場合は評定平均の結果を中心に校内選抜が行われます。高校から推薦を受けることができれば、合格率は高い入試です。

公募推薦は大学が定めている出願資格を満たし、推薦を受けることができれば、どの高校出身でも受験できます。評定平均が合否判定にも利用されることがあります。

●総合型選抜とは

総合型選抜は、2020年度入試まではAO入試という名称でした。総合型選抜は、学校型推薦選抜とも共通しますが、大学のアドミッションポリシーに基づいて学生を選抜するという点が特徴です。

ただ、学校型推薦選抜とは異なり、基本的には出身高校の学校長の推薦がなくても出願資格が得られ、評定平均値が条件とされていないケースも多いです。選抜方法もさまざまで、学科試験ではなく、面接やディベート、プレゼンテーションなどを通して知識や思考力や表現力などを多面的に評価されます。大学に相応しい人物像かどうかなどが評価の基準になります。


知っておきたい大学入試の仕組み①|国公立大学入試

国公立大学の入試の仕組みと、出願する際のポイントと注意点を解説します。

●国公立大学の一般選抜

文部科学省による国公立大学募集人員の割合の調査によると、2023年度入試では77%、約8割が一般選抜によるものでした。近年、学校推薦型選抜や総合型選抜は拡大傾向ですが、やはり国公立大学を志望する受験生の場合、一般選抜を想定した受験対策が必須と言えそうです。

国公立大学の一般選抜は、一次試験として1月中旬に実施される大学入学共通テストを受け、二次試験として2月下旬に実施される個別学力検査を受けます。双方の試験の合計点で合格者が決まります。

・第1段階選抜(大学入学共通テスト)
国公立大学には、2段階選抜という制度があり、大学入学共通テストで一定以上の成績を取れなかった受験生は個別学力検査の受験資格が認められません。この制度は同じ大学でも、必ずしも全学部に適用されるわけではありません。難関大学や医学部など多くの志願者が集まる大学や学部で適用される傾向があります。

2段階選抜がある大学・学部の志望者は、大学入学共通テストの受験後、自己採点を行い、一定以上の点数が取れていると確認できれば、志望する国公立大学の二次試験に願書を提出することになります。志望校合格のチャンスがあるかどうか、予備校や学習塾が予想する基準点をチェックして判断し、個別学力検査の出願を行います。

・第2段階選抜(個別学力検査)
二次試験の出願を行う際は、スケジュールを確認しましょう。二次試験は「前期日程」「後期日程」があり、大学によっては「中期日程」もあり、それぞれに募集人員を振り分けて選抜されます。受験生は、前期、中期、後期の各日程で1校ずつ出願でき、最大3回受験のチャンスがあります。同じ大学の同じ学部を前期・後期の2回受験することも、違う大学の学部を受験することも可能です。一般的には、前期が最も募集人員が多いため、第一志望を前期に受験するのがセオリーです。

【出典】令和5年度国公立大学入学者選抜の概要(文部科学省)

●国公立大学の特別選抜

・学校推薦型選抜
国公立大学における学校推薦型選抜は、私立大学と比較して極めて募集人員が少ない傾向にあります。また、評定平均についても4.0以上、大学入学共通テストの指定教科で8割以上の得点が必須など、出願基準も厳しい大学が多いです。

・総合型選抜
国公立大学でも出身高校からの推薦が原則必要のない、自己推薦型の総合型選抜はあります。しかし、出願の条件は総合型選抜においても厳しく、特定資格保有者、全国大会の上位入賞者といった条件が設けられているケースも多いです。選抜方法は、一般的な学科試験ではなく、書類審査や面接、小論文などが多いです。

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知っておきたい大学入試の基本②|私立大学入試

私立大学の入試の仕組みと、出願する際のポイントと注意点を解説します。

●私立大学の一般選抜

国公立大学とは異なり、私立大学の場合は入試のスケジュールや選抜方式を各大学が自由に設定できます。そのため、受験日は大学ごとに異なるので、日程が重ならない場合は制限なく何校でも受験可能です。

私立大学の一般選抜は、大きく分けて2種類あります。各大学で個別学力試験を実施する「一般選抜」と、大学入学共通テストを活用した「共通テスト利用方式」です。

・一般選抜
一般選抜における受験科目は、3教科が基本です。文系の学部の場合は、国語と外国語を必須とし、さらに地理、公民、数学の中から1科目を選択する形が一般的で、理系の学部の場合は、数学、理科、英語の3科目が多いです。必要な試験科目は各大学の情報を確認しましょう。

・共通テスト利用方式
大学入学共通テストの結果を利用して合否判定を行う共通テスト利用方式は、国公立大学と併願しやすいというのがメリットです。大学独自の試験を行わず、共通テストの成績結果のみで合格判定が行われます。

共通テスト利用方式では募集定員が少ないため、合格に必要な点数が比較的高い傾向があります。

●私立大学の特別選抜

・私立大学の学校推薦型選抜
私立大学の入試では、学校推薦型選抜で約4割の入学者が決定されると言われています。国公立大学の場合では、かなり厳しい出願条件が課せられていますが、私立大学はそこまで厳しい条件はありません。

選考内容は、書類審査、面接、小論文、プレゼンテーション、学力検査などを組み合わせて選考する大学が多いです。成績だけではなく、高校での学業成績や課外活動実績などを踏まえて、個性や意欲が評価されます。

・私立大学の総合型選抜
かつてはAO入試と呼ばれていた総合型選抜の選抜方式は、大学によりさまざまです。調査書を含む書類選考、志望理由書、面接、小論文、ディスカッション、プレゼンテーションなどを組み合わせて行う対話型が主流です。

総合型選抜は9月1日以降に出願がスタートし、他の選抜方法よりも早期に実施されるため、志望校選定を早めに行う必要があります。


「大学入試の仕組みを事前に把握して、計画的に勉強を進めよう」

大学入試の受験方法の形態は多様で、学力検査だけではなく、面接、小論文、ディベートなどを組み合わせて、志望校への熱意、大学に相応しい人物像かどうかといったことを判断されます。どの選抜方式を選ぶかで対策は大きく異なるため、必要な受験勉強も変わってくるでしょう。ひとりひとり、自分に合った受験方法を選び、力を発揮することが重要です。

大学受験を考えている方の中には、「どの選抜方式を選んだらいいのかわからない」という悩みを持っている人も多いでしょう。京進の個別指導 スクール・ワンではこれまで積み重ねた知見をもとに、経験豊富な講師陣や教室長が丁寧にアドバイスします。体験授業や授業見学を行っていますので、下記よりお問合せください。

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